中世からの廻船業、江戸時代からの金銀採掘で発展した佐渡島。当時の面影を残す集落の中には、子供たちの学びの場であった故き良き木造校舎が大切に保存されている。地域の歴史を継承しながら新たな未来を模索する、そんな地域活性化の拠点として活用されている。

旧内海府小・中学校 北小浦分校(新潟県佐渡市)

佐渡島の東海岸、日本海に沿って走る県道45号沿いに美しい木造校舎が現存している。野花が咲く校庭越しに青い海が広がる開放感のある場所だ。

 

明治初期に北小浦分教場として開校し、1947年に内海府村立内海府小学校北小浦分校、中学校の併置及び解除を経て、1954年に町村合併により両津市立内海府小学校北小浦分校と改称。1983年(昭和58年)3月に閉校した。

 

現在は「北小浦ダイビングセンター」および「北小浦海洋センター」となり、海のスポーツ拠点として活用されている。


旧岩首小学校(新潟県佐渡市)

佐渡島の南東部、海沿いの小さな集落の坂道を上ると立派な門構えの廃校が現れる。その奥には木々に囲まれた小さな木造校舎。

 

学校は1880年に松ヶ崎村多田小学校岩首派出教場として開校し、1889年に岩首村立岩首尋常小学校、1947年に岩首村立岩首小学校となり新校舎が落成した。1954年に町村合併により両津市立岩首小学校、2003年に市町村合併により佐渡市立岩首小学校と改称したが、2007年に閉校となった。

 

 

現在は「岩首談義所」として、集落や学校の歴史が展示されるとともに、訪問客が地域とつながるコミュニティの場となっている。

後背の山の斜面に広がる棚田は「昇竜棚田」として美しい景観を誇り、訪れる観光客が多い。のんびりと散歩してみたい集落だ。

棚田の風景 岩首棚田へ→


旧宿根木小学校(新潟県佐渡市)

佐渡島南部の宿根木は中世の頃から日本海の廻船業で栄えた港町で、今も当時を偲ばせる古い町並みが残る。学校は少し内陸部に入った県道沿いにあり、広い敷地の中に石積みの門柱と木造の校舎が残されている。

 

現在の建物は大正9年(1920年)に建築された校舎で、佐渡市に現存する最古の木造校舎として市の指定有形文化財となっている。昭和45年(1970年)に閉校後は「佐渡国小木民族博物館」として宿根木の歴史や文化、学校の歴史に関する資料が展示されている。


旧西三川小学校(新潟県佐渡市)

佐渡島の南西部、海から小高い丘を上った場所に木造の校舎が現存する。「日本で一番夕日がきれいな小学校」と言われるように、西側に広がる日本海が美しく輝く。

 

創立は明治6年(1873年)。1875年に公立小学校三川小学校、1909年に西三川村立西三川尋常小学校、1947年に西三川村立西三川小学校、1955年に真野町立西三川小学校、2004年に佐渡市立西三川小学校となり、平成22年(2010年)に閉校となった。

 

現在は地元の酒蔵「尾畑酒造」が酒造りの場「学校蔵」として活用している。