南市原

千葉県の市原市は県内で最大の面積で南北に奥行きの深い市である。東京湾に面する北部の工業地帯や市街地とは対照的に、南部地域はのどかな農村地帯で、田園風景の中に森や山が点在する。

東京から最も近い里山として注目は高いが、一方で過疎化や高齢化による地域の衰退も顕著である。豊かな自然や新鮮な農産物、ローカル線の小湊鐡道などの魅力的な観光資源を活かした地域おこしを始めている。

市原アート×ミックス

2014年春、アートによる地域活性化として、南市原の里山やローカル線小湊鐡道、そして廃校となった小学校校舎などを舞台として中房総国際芸術祭(トリエンナーレ)が開催された。越後妻有、瀬戸内に続く三番目の開催地だ。

期間 2014年3月21日~5月11日

開催地 市原市南部エリア

参加アーティスト 13の国と地域57組

 

以降も毎年春、秋を中心にミニイベントが企画され、地域住民やサポーター(菜の花プレイヤーズ)とともに活動を続けている。

・内田未来小校

・IAAES(旧里見小学校)

・森ラジオステーション 森遊会

・喜動倶楽部

・アートハウスあそうばらの谷、おもいでの家

などなど。

 

小湊鐡道の路線周辺の整備活動や菜の花の種まき活動も行われている。

 

 

2017年第2回目の芸術祭が開催された。

期間 4月8日(土)~5月14日(日) 37日間

参加アーティスト 31組 


月出工舎(廃校の活用)

南市原の中でも山あい深い月出地区。もともとは山頂を表す「突出」であったが、江戸時代に「月出」に変わったという、なんともロマンチックな地名だ。

明治6年創立の月出小学校は平成19年(2007年)に廃校となり134年の歴史を閉じた。そして2014年春、長らく地域コミュニティーの中心であった校舎を舞台に、アーティスト岩間賢氏をディレクターとして、中房総国際芸術祭の作品が展開された。以降は「月出工舎」として「遊・学・匠・食」の4つのプロジェクトを中心にアートによる地域創生が進行している。

また、2015年度の総務省「公共建築物オープン・リノベーション支援事業」として選定され、食を中心とした情報発信拠点として2016年春に完成した。今後、地域活性化の核となることが期待される。

 

月出工舎ホームページ→