岡山県の里山を行く

岡山県の北東部に位置する美作(みまさか)地方への旅。森あり、田んぼあり、レトロなローカル線あり、そして地域活性化に向けて廃校の活用も進んでいる地域です。

 

まずは、「日本の棚田100選」のうちの4つが隣接して集中する美咲町と久米南町へ。

 

写真は美咲町の「大垪和西(おおはがにし)の棚田」です。朝の光に輝いて一日の始まりを感じさせる風景です。ここから車で数分の距離には「小山の棚田」があります。

 

→「棚田のある風景」大垪和西の棚田へ

こちらは隣町の久米南町にある「北庄の棚田」。

ここは比較的に急勾配な傾斜地で、狭く細長い田んぼを田植え機を使いながら苗を植えています。明らかに”非効率的な作業”でありながら、ずっと続けられてる農家さん感心します。残念ながら休耕田も目立ってきていましたが、未来に向けて残してほしい光景です。

 

大正の時代から干ばつに悩まされたこの町には、日本の溜池100選の「神之淵池」など、多くの溜池が点在します。そしてサイホンや隧道、鉄管などでつながれた水利系統は他では例を見ないと言われ、「サイホン村」として全国に知られたそうです。

 

→「棚田のある風景」 北庄・上籾の棚田へ

同じ久米南町の「上籾の棚田」の近くにある「今井邸」。町の事業である「くめなんガールズファーム事業」の一環として活用を目指している多目的ハウスです。風景画の額を飾ったような窓の景色が美しい。

その「ガールズファーム」事業は、将来を農業や6次産業に関わる人材を育成する「就農支援事業」です。その一期生の一人の圃場では、まだ小規模ながら新鮮な作物が育てられていました。

 

→ガールズファーム事業

同じく久米南町の北庄地区にある「千の風 棚田の里公園」

農作業交流を通じて、都市と農村が繋がり合うことを目指す活動の拠点です。この日も十数名が農作業体験中で、黒豆カレーを一緒にご馳走になりました。

 

→千の風棚田の里公園

 

 

久米南町をご案内していただいた、町会議員で農家さんでもある河原さん(右)と町役場の須山さん(左)。岡山県の自治体の中で人口が下から2番目で、過疎高齢化が進む状況だという。将来の町の活性化への熱意を感じるお二人です。

 

美しい自然と棚田の景観、新鮮な農産物、歴史や文化など、魅力的な要素は十分に持っている久米南町。さらには羽田から岡山空港まで1時間、空港から車で40分の至近距離。いつか東京人との交流の場が企画できそうな予感がします。

 

ところ変わって、津山市の美作滝尾駅の周辺。小麦畑や田んぼが見渡せる美しい駅です。

津山と鳥取市をつなぐローカル線「因美線」は、昭和風なレトロな駅舎が多く残ります。映画やドラマのロケ地あることも多く、この駅は「寅さんシリーズ」の最終作の舞台になったとか。

岡山県の北西の端、兵庫県との県境に位置する西粟倉村。森林面積が多くを占めるこの村では、森を守り育て地域に役立てていく活動が行われています。

廃校になった旧影石小学校は「百年の森林構想」のもと、地域の企業や新たに起業を目指す若者たちの活動の場となっています。

 

 

初めて訪れた岡山の地。お城や寺社、古い町並み、産業遺産、そして温泉などなど。旅の見どころは盛り沢山でした。