四万十川(高知県)

「日本最後の清流」と言われる川だ。高知県西部の東津野村、不入山を源流とし、大きく蛇行を繰り返しながら太平洋に注ぐ。全長196kmで、四国では吉野川に次ぎ二番目に長い。

上流から下流まで変化にとんだ景観を見せるが、名脇役として重要な存在が「沈下橋」だ。大雨による増水から橋を守ろうと、欄干を無くし「水面下に沈む橋」が作られた。長い歴史の中での人間の知恵である。全流域で約60の沈下橋があり、最古は昭和10年、多くの橋は昭和30年代以降にできた。「生活文化遺産」として維持保全されている。今でも集落を結ぶ重要な生活動線であり、子供たちの遊び場でもある。