「小江戸」佐原の新たな街づくり

江戸情緒を残す観光地として人気のある千葉県香取市の佐原。佐倉、成田、銚子とともに北総4地域として2016年に「日本遺産」に認定された。

またここ数年では「街全体ホテル計画」によって新たな街づくりが進展しているという。佐原訪問は6回目となるが、さらに変貌する佐原を巡った。

 

成田からJRで30分ほどで佐原駅に到着。町並みに溶け込むような駅舎だ。

駅から15分くらい歩いて酒蔵「東薫酒造」へ。中は改装したようできれいなお店になっています。ここでどぶろく2本と日本酒3本を購入して自宅へ配送。

利根川の水運で繁栄した佐原の町並みは、伝統的建造物群保存地区に指定されている。香取街道沿いには赤い丸型ポストが今も点在し、明治時代の西洋建築である旧三菱銀行の建物は外壁の改修中であった。

忠敬橋から小野川沿いの建築物群。2011年の震災被害からは復活したようだ。数年前は未利用だった町家の多くがギャラリーや店舗として活用されていて、明るく活気のある景観となっている。

再活用の一つ、蔵を利用したフレンチレストラン。

2016年、市と街づくり事業会社により町家や古民家の再活用プロジェクトが進み、「NIPPONIA」ブランドで宿泊施設や店舗が展開されている。価格帯は高額路線だ。

こちらは佐原信用金庫が敷地を提供した「チャレンジショップ」。二年間限定で昨年11月にオープンし、その後は起業を目指す仕組みだ。銚子市の職人が開いた手作り製品ショップ、神崎町の女性が切り盛りするカフェが入居している。

香取街道を挟んでその向かいにあるカフェ「花冠」 

作家であり料理人でもあるという松本栄文氏が佐原の町並みに惚れ込んで 築180年の古民家を改装して始めたという。落ち着いた雰囲気のよいお店だ。

今春、二号店もオープンさせた。

 

数年前に訪れた時と比べると、町の財産である貴重な建築物群がより整備・活用され、明るく活気のある町並みとなった。市による政策や支援制度の充実とともに、「NIPPONIA」ブランドでの民間ノウハウの投入が効果を上げているのだろう。